专利摘要:

公开号:WO1992015092A1
申请号:PCT/JP1991/001436
申请日:1991-10-18
公开日:1992-09-03
发明作者:Atsushi Fukumoto;Toshiki Udagawa;Shunji Yoshimura;Masumi Ohta;Masumi Ono;Kouichi Yasuda
申请人:Sony Corporation;
IPC主号:G11B7-00
专利说明:
[0001] 明 細 書 光記録媒体 技 術 分 野 本発明は、 光記録媒体に対して光ビームを照射しながら信号を読 み取るような光記録媒体に関し、 特に、 高密度情報の再生が行える 光記録媒体に関する。 背 景 技 術 光記録媒体は、 いわゆるコンパク トディスク等のような再生専用 媒体と、 光磁気ディスク等のような信号の記録が可能な媒体とに大 別できるが、 これらいずれの光記録媒体においても、 記録密度をさ らに高めるこ とが望まれている。 これは、 記録される信号としてデ イ ジタル · ビデオ信号を考慮する場合にディ ジタル ' オーディ オ信 号の数倍から十数倍ものデータ量を必要とすることや、 ディ ジタル , オーディォ信号を記録する場合でもディスク等の媒体の寸法をよ り小さ く してプレーヤ等の製品をさらに小型化したい等の要求があ るカヽらである。
[0002] ところで、 このような光記録媒体の記録密度は、 記録トラ ッ クの 走査方向に沿った線密度と、 走査方向に直交する方向の隣接 トラ ッ ク間隔 ( トラ ッ ク ピッチ) に応じた トラ ッ ク密度とによって定まる, これらの線密度やトラ ッ ク密度の物理光学的限界はいずれも光源の 波長 λ及び対物レンズの開口数 Ν Αによって決まり、 例えば信号再 生時の空間周波数については、 一般に 2 N A Z λが読み取り限界と されている。 このことから、 光記録媒体において高密度化を実現す るためには、 先ず再生光学系の光源 (例えば半導体レーザ) の波長 λを短く し、 対物レンズの開口数 Ν Αを大きくすることが必要とさ れている。
[0003] しかしながら、 これら光源の波長; Iや対物レンズの開口数 N Aの 改善にも限度があることから、 記録媒体の構造や読み取り方法を改 善して記録密度を高めることが研究されている。
[0004] こ こで、 レーザ走査方向 (記録トラ ッ クの方向) に直交する方向 の密度ゃピッ ト配置間隔 (いわゆる トラック密度やその逆数である トラッ ク ピッチ) について検討する。 先ず、 レーザ光が記録媒体上 に照射されたときのスポッ ト径 (いわゆる第 1暗輪の径) は、 レー ザ光の波長ス及び対物レンズの開口数 N Aによって、
[0005] 1 . 2 2 λ Z N A
[0006] で与えられ、 例えば N A = 0 . 5、 λ = 7 8 0 n m ( 0 . 7 8 〃 m ) のときのスポッ ト径は、 1 . 9 mとなる。 このときのレーザ 走査方向に直交する方向のピッ ト配置間隔 (いわゆる トラッ ク ピッ チ) は、 隣接する トラックからのクロス トークのために、 1 . 5〜 1 . 6 xz m程度とするのが通常の限度であり、 さらなる改良が望ま れている。
[0007] 本発明は、 このような実情に鑑みてなされたものであり、 簡単な 構成で上記クロス トークが軽減できていわゆる トラック密度 (レー ザ光走査方向に直交する方向の記録密度) をさらに高め得るような 光記録媒体の提供を目的とする。 発 明 の 開 示 本発明に係る光記録媒体は、 少なく とも磁気的に結合される再生 層と記録保持層とを有して成る多層膜を記録層とし、 上記記録保持 層に信号が磁気記録され、 上記再生層の磁化の向きが揃えられた状 態の光磁気記録媒体に対して、 上記再生層にレーザ光等の読み出し 光ビームを照射するこ とにより当該再生層を加熱して上記記録保持 層に磁気記録されている信号を上記再生層に転写しながら磁気光学 効果により光学信号に変換して読み取るような光磁気記録媒体であ つて、 上記読み出し光ビームの走査方向と直交する方向の記録信号 のピッ トの配置間隔を、 上記読み出し光ビームのスポッ ト径の 1 Z 2以下とすることを特徴とするものである。
[0008] また、 本発明の光記録媒体は、 信号に応じて位相ピッ トが形成さ れるとともに温度によって反射率が変化する光記録媒体に対して読 み出し光ビームを照射し、 読み出し光ビームの走査スポッ ト内で反 射率を部分的に変化させながら位相ピッ トを読み取るような光記録 媒体であって、 上記読み出し光ビームの走査方向と直交する方向の 記録信号の位相ピッ 卜の配置間隔を、 上記読み出し光ビームのスポ ッ ト径の 1 Z 2以下とすることを特徴とするものである。
[0009] 従って、 本発明に係る光記録媒体によれば、 レーザビーム等の光 ビームの走査方向に直交する方向のピッ ト配置間隔 (いわゆる トラ ッ ク間隔) をビームスポッ トの 1 Z 2以下とするこ とにより、 この 方向の記録密度、 いわゆる トラ ッ ク記録密度を高めて、 媒体記録容 量を高めることができる。 一 一
[0010] 図 面 の 簡 単 な 説 明 図 1 は本発明に係る光記録媒体の一実施例となる光磁気記録媒体 とこの媒体上のレーザ光のスポッ トを概略的に示す平面図である。 図 2は再生装置の光学系の概略構成を示す模式図である。
[0011] 図 3は再生レーザパワーに対する再生信号のキヤ リアレベルを示 す図である。
[0012] 図 4は消去型の光磁気記録媒体上にレーザ光を照射したときを示 し、 Aは平面図、 Bは断面図である。
[0013] 図 5は浮き出し型の光磁気記録媒体上にレーザ光を照射したとき を示し、 Aは平面図、 Bは断面図である。
[0014] 図 6はマルチ光源ビームによる トラツキングサーボを説明するた めの図である。
[0015] 図 7は本発明に係る光記録媒体の他の実施例となる相変化型光デ ィスクの一例の要部を示す概略断面図である。
[0016] 図 8は上記他の実施例となる相変化型光ディスクの他の例の要部 を示す概略断面図である。
[0017] 図 9は上記相変化型光ディスクのさらに他の例の要部を示す概略 断面図である。
[0018] 図 1 0は上記相変化型光ディスクの説明に供する相変化状態を示 す図である。
[0019] 図 1 1 は上記相変化型光ディスクの説明に供する他の相変化状態 を示す図である。
[0020] 図 1 2は上記相変化型光ディスクの説明に供する読み出し光スポ ッ トと温度分布との関係を示す図である。
[0021] 図 1 3は上記相変化型光ディスクの説明に供する再生レーザパヮ 一に対する再生信号のキヤ リアレベルを示す図である。
[0022] 図 1 4 は本発明のさらに他の実施例として干渉フィ ル夕を用いた 反射率変化型の光ディ スクの要部を示す概略断面図である。
[0023] 図 1 5 は干渉フィ ルタにおける温度による反射率分光特性の変化 の様子を示す特性図である。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明に係る光記録媒体のいくつかの実施例について、 図 面を参照しながら説明する。 すなわち、 先ず、 記録可能な媒体とし ての光磁気記録媒体に本発明を適用した実施例を説明し、 次に、 少 なく とも再生が可能な媒体としての反射率変化型光記録媒体に本発 明を適用した実施例を説明する。
[0024] 上記光磁気記録媒体は、 例えばポリカーボネー ト等から成る透明 基板あるいは光透過性基体の一主面に、 膜面と垂直方向に磁化容易 軸を有し優れた磁気光学効果を有する磁性層 (例えば希土類一遷移 金属合金薄膜) を、 誘電体層や表面保護層等と共に積層して構成さ れたものであり、 上記透明基板側からレーザ光等を照射して信号の 記録、 再生が行われる。 この光磁気記録媒体に対する信号記録は、 レーザ光照射等によって上記磁性層を局部的に例えばキュ リ 一点近 傍の温度にまで加熱し、 この部分の保磁力を消滅させて外部から印 加される記録磁界の向きに磁化することにより行う、 いわゆる熱磁 気記録である。 また光磁気記録媒体からの信号再生は、 上記磁性層 の磁化の向きにより レーザ光等の直線偏光の偏光面が回転する磁気 光学効果 (いわゆる磁気カー効果、 ファラディ効果) を利用して行 われる。
[0025] 上記反射率変化型光記録媒体は、 位相ピッ トが形成された透明基 板上に、 温度によって反射率が変化する材料が形成されて成り、. 信 号再生時には、 該記録媒体に読み出し光を照射し、 読み出し光の走 查スポッ ト内で反射率を部分的に変化させながら位相ピッ トを読み 取るものである。
[0026] 先ず、 図 1 に示す実施例においては、 光磁気記録媒体として、 後 述する消去型と浮き出し型とが混合したタイプの高密度再生用の媒 体を用いている。 この光磁気記録媒体は、 少なく とも磁気的に結合 される再生層と記録保持層とを有して成る交換結合磁性多層膜を記 録層としている。 上記記録保持層に信号が磁気記録され上記再生層 の磁化の向きが揃えられた状態の光磁気記録媒体を再生する際には、 上記再生層にレーザ光を照射することにより当該再生層を加熱して 上記記録保持層に磁気記録されている信号を上記再生層に転写しな がら磁気光学効果により光学信号に変換して読み取つている。
[0027] この図 1 に示す高密度再生技術には、 例えば、 レーザ照射によつ て生ずる媒体温度分布により、 ビーム · スポッ ト S P内で初期化状 態を維持する低温部分と、 記録保持層の磁化が表面の再生層に転写 される高温の記録浮き出し領域 F Lと、 さらに高温となって外部印 加磁界の向きに磁化が揃えられて消去される記録消去領域 E Rとが 形成されるような光磁気記録媒体が用いられる。
[0028] すなわち、 常温で情報記録ピッ ト R Pが消えている状態 (初期化 状態) の記録媒体にレーザ光を照射して加熱することで、 照射レー ザ光のビーム · スポッ ト S Pからレーザ光走査方向後方側にややず れた位置に楕円形状の記録浮き出し領域 F Lを形成すると共に、 こ の記録浮き出し領域 F L内にさら.に高温の記録消去領域 E Rを形成 し、 ビーム . スポッ ト S P内で、 記録浮き出し領域 F L内の記録消 去領域 E Rでマスクされた以外の部分 (信号検出領域) D T内の記 録ピッ ト R Pのみを読み取るようにしている。
[0029] このときの信号検出領域 D Tは、 ビーム ' スポッ ト S Pの径 Dに 比べてレーザ光走査方向の寸法 dが狭いため、 この方向のピッ ト間 隔を短く (いわゆる線記録密度を高く) でき、 また、 レーザ光走査 o
[0030] 方向に直交する方向の寸法が小さ くなるため、 隣接トラ ッ クからの クロス トークを低減できる。 これは、 隣接トラッ ク間のピッチ (い わゆる トラ ッ ク ピッチ) pをより狭く (高密度に) して トラ ッ ク密 度を高めることにもなり、 記録密度の向上が図れる。
[0031] この図 1 の例では、 記録ピッ ト R Pに関する各部寸法として、 レ 5 一ザ光走査方向に直交する方向のピッ ト配置間隔、 いわゆる トラ ッ- ク ピッチを p とし、 レーザ光走査方向 ( トラッ ク方向) に沿ったピ ッ ト配列間隔の最短間隔、 いわゆるピッ ト記録最短周期 (線記録密 度の逆数) を qとし、 レーザ光走査方向に直交する方向 (ディ スク 径方向) のピッ ト幅を hとしている。 図 5では、 各記録ピッ ト R P 0
[0032] が上記最短記録周期 qで配列されている状態を図示しているが、 記 録データに応じてこの配列間隔 (及びレーザ走査方向に沿ったピッ 卜の長さ) が変化するこ とは勿論である。
[0033] 次に、 この図 1 に示す光磁気記録媒体をディスク状に形成したい わゆる光磁気ディスクに対する再生装置の概略構成を図 2に示して S
[0034] いる。 この図 2において、 レーザ光源としての例えば半導体レーザ 1 1 から出射されたレーザ光は、 コ リ メータレンズ 1 2で平行ビームと され、 ビー厶スプリ ツ夕 1 3を介して対物レンズ 1 4 に送られる。 光磁気ディスク 1 5は、 上記図 1 と共に説明した光磁気記録媒体で あり、 上記対物レンズ 1 4を介して照射されたレーザビームは、 上 述した光磁気記録用磁性多層膜にて反射され、 対物レンズ 1 4を介 してビームスプリ ッタ 1 3に入射されて反射され、 集光レンズ 1 6 で集光されてフォ トダイォー ド等の光検出器 1 7に入射される。 光 磁気ディスク 1 5のレーザ光照射位置の裏面 (図中上面) 側には、 再生磁界 Hr eedを印加するための磁気へッ ド 1 8が配設される。
[0035] 次に図 3は、 上記レーザ光の波長 λが 0. 7 8 m、 対物レンズ 1 4の開口数 NAが 0. 5のとき、 すなわち媒体上でのスポッ ト径 Dが、 に 2 2 λ/ΝΑより、 1. 9 mとなるとき、 上記トラッ ク ピッチ Pをスポッ ト径 D = 1 . 9 の 1 / 2以下の例えば 0. 8 mとした場合の、 再生レーザパワー (横軸) に対する再生信号 のキヤ リアレベル (縦軸) を示している。 この図 3において、 曲線 aがメイ ンキヤ リァ成分を、 曲線 bがクロス トーク成分をそれぞれ 示しており、 図中の斜線部は、 キャ リア/ノイズ (クロス トーク) 比、 いわゆる CZN比として 5 0 d Bが得られる範囲を示し、 この ときの再生パワーが約 2. 2〜 2. 8 mWであり、 約 2. 5 mWを 中心として ± 1 0 %以上の範囲となっている。
[0036] ここで、 通常の再生装置において要求される各種条件を考慮する とき、 CZN比が 5 0 d Bとれることは有効な信号再生を行うため に充分な値であり、 また再生レーザパワーの変動マージンとして土 1 0 %以上がとれることは半導体レーザ 1 1等の素子のばらつきや 特性変動範囲として充分な値である。 従って、 スポッ ト径 (D = 1 . 9 〃 m ) の 1 Z 2以下の トラ ッ ク ピッチ ( p = 0 . S β τη ) として も、 有効な信号再生が行え、 しかも半導体レーザ 1 1 等の素子のば らつきも許容されて再生装置の量産も可能である。
[0037] さらに、 C / N比として 4 0 d Bでも有効な再生が可能である場 合には、 再生パワーは約 2〜 3 . 5 m Wの広い範囲がとれ、 上記土 1 0 %程度で充分とするならば、 さらに トラ ッ ク ピッチ Pを狭く し ても信号再生が有効に行え、 製品化も可能であることがわかる。
[0038] 次に、 上記高密度再生が可能な光磁気記録媒体についてさ らに説 明する。
[0039] 本件出願人は、 先に例えば特開平 1 一 1 4 3 0 4 1号公報、 特開 平 1 一 1 4 3 0 4 2号公報等において、 情報ビッ ト (磁区) を再生 時に拡大、 縮小あるいは消滅させることにより再生分解能を向上さ せるような光磁気記録媒体の信号再生方法を提案している。 この技 術は、 記録磁性層を再生層、 中間層、 記録層から成る交換結合多層 膜とし、 再生時において再生光ビームで加熱された再生層の磁区を 温度の高い部分で拡大、 縮小あるいは消去することにより、 再生時 の情報ビッ ト間の干渉を減少させ、 光の回折限界以下の周期の信号 を再生可能とするものである。 また、 特願平 1 一 2 2 9 3 9 5号の 明細書及び図面においては、 光磁気記録媒体の記録層を磁気的に結 合される再生層と記録保持層とを含む多層膜で構成し、 予め再生層 の磁化の向きを揃えて消去状態としておく とともに、 再生時にはレ 一ザ光の照射によって再生層を所定の温度以上に昇温し、 この昇-温 された状態でのみ記録保持層に書き込まれた磁気信号を再生層に転 写しながら読み取るようにすることにより、 クロス トークを解消し 一 —
[0040] て線記録密度、 トラック密度の向上を図る技術を提案している。
[0041] これらの高密度再生技術をまとめると、 消去型と浮き出し型とに 大別でき、 それぞれの概要を図 4及び図 5に示す。
[0042] 先ず図 4の A、 Bを参照しながら消去型の高密度再生技術につい て説明する。 この消去型の場合には、 常温にて情報記録ピッ ト R P が表れている状態の記録媒体にレーザ光 L Bを照射して加熱するこ とで、 照射レーザ光 L Bのビーム ' スポッ ト S P内に記録消去領域 E Rを形成し、 ビーム ■ スポッ ト S P内の残りの領域 R D内の記録 ピッ ト R Pを読み取ることにより、 線密度を高めた再生を行ってい る。 これは、 ビーム · スポッ ト S P内の記録ピッ ト R Pを読み取る 際に、 記録消去領域 E Rをマスクとすることで読み取り領域 R Dの 幅 dを狭く し、 レーザ光の走査方向 (トラック方向) に沿った密度 (いわゆる線記録密度) を高めると共に、 走査方向に直交する方向 の密度、 いわゆる トラック密度をも高めた再生を可能とするもので ある。
[0043] この消去型高密度再生のための記録媒体は、 光磁気記録用ァモル ファス稀土類 (G d, T b ) —鉄属 (F e , C o ) フヱ リ磁性膜か ら成る交換結合磁性多層膜構造を有し、 図 4の Bに示す例では、 ポ リカーボネー ト等の透明基板 (図示せず) の一主面に、 第 1 の磁性 膜である再生層 6 1、 第 2の磁性膜である切断層 6 2、 及び第 3の 磁性膜である記録保持層 6 3を順次積層した構造を有している。 第 1 の磁性膜 (再生層) 6 1 は、 例えば G d F e C 0で、 キュ リー温 度 T c】 > 4 0 0 ° Cのものが用いられ、 第 2の磁性膜 (切断曆、 中 間層) 6 2は、 例えば T b F e C 0 A 1 で、 キユ リ一温度 T C 2 = 1 2 0 ° Cのものが用いられ、 第 3の磁性膜 (記録保持層) 6 3は、 例えば Τ b F e C οで、 キユ リ一温度 TC3 = 3 0 0 ° Cのものが用 いられる。 なお、 図 4 中の各磁性膜 6 1、 6 2、 6 3内の矢印は各 磁区の磁化の向きを示している。.また、 H r eadは再生磁界の向きを 示してレ、る。
[0044] 再生時の動作を簡単に説明すると、 所定温度 TOPより下の常温で は記録媒体の記録保持曆 6 3の記録磁区が切断層 6 2を介して再生 層 6 1 に転写されている。 この記録媒体に対してレーザ光 L Bを照 射して媒体温度を高めると、 レーザ光の走査に伴って媒体の温度変 化は遅延されて表れ、 上記所定温度 T OP以上となる領域 (記録消去 領域 E R) はビーム · スポッ ト S Pより もレーザ走査方向の後方側 にややずれて表 る。 この所定温度 TOP以上では、 再生層 6 1 の磁 区が再生磁界 H r e,d0向きに揃えられることにより、 媒体表面上で は記録が消えた状態となる。 これによつて、 上記所定温度 T OP以上 となる領域 E Rの記録をマスク し、 高密度再生を実現している。 次に、 図 5 に示す浮き出し型の高密度再生技術では、 常温で情報 記録ピッ ト R Pが消えている状態 (初期化状態) の記録媒体にレー ザ光を照射して加熱することにより、 照射レーザ光のビーム · スポ ッ ト S P内に記録浮き出し領域である信号検出領域 D Tを形成し、 この信号検出領域 D T内の記録ピッ ト R Pのみを読み取るようにす るこ とで再生線密度及び再生トラ ッ ク密度を高めている。
[0045] この浮き出し高密度再生のための記録媒体は、 交換結合磁性多層 膜構造を有するものであり、 図 5の例では、 ポリカーボネー ト等の 透明基板 (図示せず) の一主面に第 1 の磁性膜である再生層 7 1、 第 2の磁性膜である再生補助層 7 2、 第 3の磁性膜である中間層 7 3、 第 4の磁性膜である記録保持層 7 4を順次積層した構造を有し ている。 第 1 の磁性膜 (再生層) 7 1 は、 例えば G d F e C 0でキ ュ リ一温度 TC1> 3 0 0 ° Cのもの、 第 2の磁性膜 (再生補助層) 7 2は、 例えば Tb F e C 0 A 1.でキュ リー温度 TC2 1 2 0 ° C のもの、 第 3の磁性膜 (中間層) 7 3は、 例えば G d F e C 0でキ ュ リ一温度 TC3 2 5 0 ° Cのもの、 第 4の磁性膜 (記録保持層) 7 4は、 例えば T b F e C 0でキユ リ一温度 TC4 2 5 0 ° Cのも のがそれぞれ用いられる。 なお、 図 5中の各磁性膜 7 1、 7 2、 7 3、 7 4内の矢印は各磁区の磁化の向きを示しており、 Hreedは再 生磁界の向きを示している。
[0046] i o 再生時の動作を簡単に説明すると、 先ず再生前に初期化磁界によ り再生層 7 1及び再生補助層 7 2の磁化の向きを一方向 (図 5では 上方向) に揃える。 次に逆方向の再生磁界 Hr " dを印加しながらレ 一ザ光 L Bを照射すると、 レーザ光の走査に伴って媒体の温度変化 は遅延されて表れるから、 所定の再生温度 TRP以上となる領域 (記 5 録浮き出し領域) はビーム ' スポッ ト S Pよりも走査方向の後方側 にややずれて表れる。 この所定再生温度 TRP以上では、 再生補助層 7 2の保磁力が低下し、 再生磁界 Hreedが印加されることによって 磁壁がなくなり、 記録保持層 7 4の情報が再生層 7 1 に転写される。 これによつて、 レーザ光 L Bのビーム , スポッ ト S P内で上記再生 0
[0047] 温度 TRPに達する前の領域がマスクされ、 このスポッ ト S P内の残 部が記録浮き出し領域である信号検出領域 DTとなり、 高密度再生 が可能となる。
[0048] さらに、 これらの消去型と浮き出し型とを混合した技術として、 上記図 1 に示したような高密度再生技術も考えられている。 この図 5
[0049] 1 においては、 上述したように、 常温で情報記録ピッ ト R Pが消え ている状態 (初期化状態) の記録媒体にレーザ光を照射して加熱す ることで、 照射レーザ光のビーム · スポッ ト S Pに対してレーザ光 走査方向の後方側にややずれた位置に記録浮き出し領域 F Lを形成 すると共に、 この記録浮き出し領域 F L内にさらに高温の記録消去 領域 E Rを形成している。
[0050] また、 本件出願人が先に提出した特願平 3— 4 1 8 1 1 0号の明 細書及び図面においては、 少なく とも再生層、 中間層、 記録保持層 を有する光磁気記録媒体を用い、 再生層にレーザ光を照射すると共 に再生磁界を印加し、 このレーザ照射により生ずる温度分布を利用 して、 初期化状態を維持する部分、 記録保持層の情報が転写される 部分、 再生磁界方向に磁化の向きが揃えられる部分をレンズ視野内 に生ぜしめることにより、 レンズ視野内を光学的にマスク したのと 等価な状態とし、 線記録密度及びトラッ ク密度を高め、 また、 再生 パワーが変動しても記録保持層の情報が転写される領域が縮小ある いは拡大することがなく、 再生時の周波数特性も良好なものとした 光磁気記録媒体における信号再生方法を提案している。
[0051] これらの光磁気記録媒体を用いた高密度再生技術によれば、 ビー 厶 · スポッ ト S P内で、 記録浮き出し領域 F L内の一部領域である 読み取り領域 R Dや信号検出領域 D T内の記録ピッ ト R Pのみを読 み取るようにしている。 この読み取り領域 R Dや信号検出領域 D T の寸法が、 ビーム · スポッ ト S Pの寸法より も小さ くなるこ とから. レーザ光走査方向、 及びレーザ光走査方向に直交する方向のピッ ト 配置間隔を短くすることができ、 高密度化が可能となり、 媒体記録 容量の増大が図れるこ とになる。
[0052] ところで、 このような高 トラ ッ ク密度で信号再生を行う ときの ト ラッキングをとるためのトラッキングサーボとしては、 いわゆるサ ンプルサーボ方式や、 マルチ光源ビームによりサーボに対して等価 的に 卜ラック ピッチを広げる手法が有効である。 このマルチ光源ビ ームによる トラッキングサーボは、 本件出願人が先に特願平 2 — 1
[0053] 4 2 5 2 1号の明細書及び図面において提案している技術であり、 図 6を参照しながら簡単に説明する。
[0054] この図 6において、 記録媒体上にはいわゆる案内溝 (ガイ ドグル ーブ) 3 1が例えばレーザ光スポッ ト S Pの径以上の配置間隔 sを もって形成されており、 記録ピッ ト R Pのレーザ走査方向に直交す る方向の配置間隔 Pは、 上記案内溝 3 1 の配置間隔 sの例えば 1 / 2以下となっている。 レーザ光源からは複数、 例えば 3本の光ビー ムが媒体に照射され、 これらの 3本の光ビームのスポッ ト S P * 、
[0055] 5 P。 、 S P b が上記間隔 pで配列された 3本の記録ピッ ト列 (い わゆる記録トラック) 上にそれぞれ対応付けられる。 このとき、 3 スボッ トの内の中央のスポッ ト S P。 を上記案内溝 3 1上に位置さ せ、 このスポッ トのみでトラッキングをとるようにすれば、 残りの 2つのスポッ ト S P , 、 S P b は案内溝 3 1 の両側の記録ピッ ト列 上を走査するように案内される。 ここで、 上記 pは一般に sノ 2 n とすることができる。
[0056] すなわち、 一般的には、 レーザ光源からの複数の光ビームを記録 媒体上に照射して、 この媒体上に案内溝の配列ピッチ sの 1 Z 2 n ずつ互いにオフセッ トさせて複数のビ一ムスポッ ト S Pを形成し、 この複数のビ一ムスポッ ト S Pに基づいて、 空間位相が上記案内溝 の配列ピッチ sの 1 Z 2 nずつ互いにオフセッ トした n個の信号 (記録ピッ ト R P ) を形成し、 この n個の信号を乗算して、 空間周 期が上記案内溝の配列ピッチ sの 1 Z n となる トラ ツキング制御信 号を形成し、 この トラ ツキング制御信号に基づいて トラ ツキング制 御を行うわけである。
[0057] 以上説明した本発明の実施例は、 信号の記録が可能な光磁気記録 媒体を用いる例であつたが、 次に、 本発明を反射率変化型の光記録 媒体に適用した実施例について、 以下に説明する。
[0058] この反射率変化型の光記録媒体に関する技術としては、 本件出願 人が先に特願平 2 — 9 4 4 5 2号の明細書及び図面において光ディ スクの信号再生方法を提案しており、 また、 特願平 2 - 2 9 1 7 7 3号の明細書及び図面において光ディスクを提案している。 すなわ ち、 前者においては、 信号に応じて位相ピッ トが形成されるととも に温度によって反射率が変化する光ディスクに対して読み出し光を 照射し、 読み出し光の走査スポッ 卜内で反射率を部分的に変化させ ながら位相ピッ トを読み取るこ とを特徴とする光ディスクの信号再 生方法を提案しており、 後者においては、 位相ピッ トが形成された 透明基板上に、 相変化によって反射率が変化する材料層が形成され てなり、 読み出し光が照射されたときに、 上記材料層が、 読み出し 光の走査スポッ ト内で部分的に相変化するとともに、 読み出し後に は初期状態に戻ることを特徴とする、 いわゆる相変化型の光デイ ス クを提案している。
[0059] ここで、 上記材料層として、 溶融後結晶化し得る相変化材料層を 用い、 読み出し光が照射されたときに、 この相変化材料層が読み出 し光の走査スポッ ト内で部分的に溶融結晶化領域で液相化して反射 率が変化すると共に、 読み出し後には結晶状態に戻るようにするこ とが好ま しい。 ここで本実施例に用いられる栢変化型の光ディスクは、 図 7に要 部の概略断面図を示すように、 位相ピッ ト 1 0 1が形成された透明 基板 1 0 2上 (図中では下面側).に、 第 1 の誘電体層 1 0 3を介し て相変化材料層 1 0 4が形成され、 この材料層 1 0 4の上 (図中の 下面側、 以下同様) に第 2の誘電体層 1 0 5が形成され、 その上に 反射膜 1 0 6が形成されてなつている。 これら第 1 の誘電体層 1 0 3及び第 2の誘電体層 1 0 5 によって光学特性、 例えば反射率等の 設定がなされる。 さらに必要に応じて、 反射膜 1 0 6の上に保護膜
[0060] (図示せず) が被着形成されることも多い。
[0061] この他、 この相変化型の光ディスクの構造としては、 例えば図 8 に示すように、 ピッ ト 1 0 1 が形成された透明基板 1 0 2上に直接 的に相変化材料層 1 0 4のみを密着形成したものを用いてもよく、 また、 図 9に示すように、 位相ピッ ト 1 0 1が形成された透明基板 1 0 2上に、 第 1 の誘電体層 1 0 3、 相変化材料層 1 0 4、 及び第 2の誘電体層 1 0 5を順次形成したものを用いてもよい。
[0062] ここで、 上記透明基板 1 0 2 としては、 ガラス基板、 ポリカーボ ネー トゃメタク リ レー ト等の合成樹脂基板等を用いることができ、 また、 基板上にフォ トボリマを被着形成してスタンパによって位相 ピッ ト 1 0 1 を形成する等の種々の構成を採ることができる。
[0063] 上記栢変化材料層 1 0 4に使用可能な材料としては、 読み出し光 の走査スポッ ト内で部分的に相変化し、 読み出し後には初期状態に 戻り、 栢変化によって反射率が変化するものが挙げられる。 具体的 には、 S b 2 S e 3 、 S b 2 T e 3 等のカルコゲナイ ト、 すなわち カルコゲン化合物が用いられ、 また、 他のカルコゲナイ トあるいは 単体のカルコゲンとして、 S e、 T eの各単体、 さらにこれらの力 ルコゲナイ ト、 すなわち B i T e、 B i S e、 I n _ S e、 I n— S b— T e、 I n - S b S e、 I n - S e— T 1、 G e - T e - S b、 G e—T e等のカルコゲナイ.ト系材料等が用いられる。 このよ うなカルコゲン、 カルコゲナイ トによって相変化材料相 1 0 4を構 成するときは、 その熱伝動率、 比熱等の特性を、 半導体レーザ光に よる読み出し光によって良好な温度分布を形成する上で望ま しい特 性とするこ とができ、 後述するような溶融結晶化領域での溶融状態 の形成を良好に行う こ とができ、 SZNあるいは CZNの高い超高 解像度の再生を行う ことができる。
[0064] また上記第 1の誘電体層 1 0 3及び第 2の誘電体層 1 0 5 として は、 例えば S i 3 N 4 、 S i 〇、 S i 02 、 A 1 N、 A 1 2 03 、 Z n S、 Mg F2 等を用いることができる。 さらに、 上記反射膜 1 0 6としては、 A l、 C u、 A g、 Au等を用いることができ、 こ れらの元素に少量の添加物が添加されたものであってもよい。
[0065] 以下、 相変化型の光ディスクの具体例として、 位相ピッ 卜が形成 された透明基板上に、 溶融後結晶化し得る相変化材料層が形成され てなり、 読み出し光が照射されたときに、 上記相変化材料層が読み 出し光の走査スポッ ト内で部分的に溶融結晶化領域で液相化して反 射率が変化すると共に、 読み出し後には結晶状態に戻るようなもの であって、 上記図 7の構成を有する光ディスクに本発明を適用した 例について説明する。
[0066] 図 7の透明基板 1 0 2としては、 いわゆるガラス 2 P基板を使用 し、 この基板 1 0 2の一主面に形成される位相ピッ ト 1 0 1 は、 ト ラ ッ ク ピッチ 1. 6 m、 ピッ ト深さ約 1 2 0 0 A、 ピッ ト幅 0. 5 /zmの設定条件で形成した。 そして、 このピッ ト 1 0 1を有する 透明基板 1 0 2の一主面に A 1 Nよりなる第 1 の誘電体曆 1 0 3を 被着形成し、 これの上 (図では下面側、 以下同様) に相変化材料層 1 0 4 として S b 2 S e 3 を被着形成した。 さらに、 これの上に A 1 Nによる第 2の誘電体層 1 0 5を被着形成し、 さらにこれの上に A 1反射膜 1 0 6を被着形成した。
[0067] このような構成の光ディスクにおいて、 信号が記録されていない 部分すなわち位相ピッ ト 1 0 1 が存在しない鏡面部分を用いて、 先 ず以下の操作を行った。
[0068] すなわち、 最初に上記光ディスクの 1点にフォーカスさせるよう に例えば 7 8 0 n mのレーザ光を照射して、 徐冷して初期化 (結晶 化) する。 次に、 同一点にレーザパワー Pを、 0 < P≤ 1 0 m Wの 範囲で固定してレーザパルス光を照射した。 この場合、 パルス幅 t は、 2 6 0 n sec ≤ t ≤ 2 . 6 〃 sec とした。 その結果、 パルス光 照射前と、 照射後の冷却 (常温) 後とで、 両固栢状態での反射率が 変化すれば、 材料層が結晶から非晶質に変化したことになる。 そし て、 この操作で、 最初と最後で反射率変化がなかった場合でも、 パ ルス光の照射中に、 戻り光量が一旦変化したとすれば、 それは結晶 状態の膜が一旦液相化されて再び結晶化されたことを意味する。 こ のように一旦液相状態になって後、 温度低下によって再び結晶化状 態になり得る溶融化状態の領域を、 溶融結晶化領域と称する。
[0069] 図 1 0は、 上述のように相変化材料層 1 0 4 として S b 2 S e 3 を用いた場合において、 横軸に照射レーザ光パルス幅を、 縦軸にレ 一ザ光パワーをそれぞれとり、 これらの各値と相変化材料層 1 0 4 の相状態を示したものである。 同図中、 曲線 aより下方の斜線を付 して示した領域 R i は、 相変化材料層 1 0 4が溶融化しない初期状 態を保持したままである場合の領域である。 同図において曲線 a よ り上方においてはレーザ光スポッ ト照射によって液相すなわち溶融 状態になるが、 特に曲線 a と b と.の間の領域 R 2 は、 レーザ光スボ ッ トが排除されて (常温程度にまで) 冷却されるこ とによって固相 化されたときに結晶化状態に戻る溶融結晶化領域であり、 これに対 して曲線 bより上方の交差斜線で示す領域 R 3 は、 レーザ光スポッ トを排除して冷却されて固相化されたときに非晶質すなわちァモル ファス状態になる溶融非晶質化領域である。
[0070] 本実施例の上記具体例においては、 図 1 0 における溶融結晶化領 域 R 2 での液相状態が再生時に生じ得るように、 その再生時の読み 出し光の照射による加熱状態から常温までの冷却過程において、 そ の融点 M Pから固相化に至るに要する時間 Δ tが結晶化に要する時 間 t , より大となるように、 再生光パワー、 光ディスクの構成、 材 料、 各膜厚等の選定がなされる。
[0071] 上記具体例において、 初期化状態の反射率すなわち結晶化状態の 反射率より も、 溶融状態での反射率が高くなるように各層の厚さ等 を設定している。
[0072] 次に、 上述のような相変化型光ディスクの他の具体例として、 相 変化材料層 1 0 4 に S b 2 T e 3 を用いた場合において、 上記図 1 0 と同様にその相変化状態を測定した結果を図 1 1 に示す。 この図 1 1 において、 上記図 1 0 と対応する部分には同一符号を付して説 明を省略する。 この場合も、 ^ 化状態すなわち初期化状態におけ る反射率より も溶融状態の反身 を高めるように、 各層の厚み等を 選定している。
[0073] なお、 S b 2 S e 3 、 S b 2 T e 3 等のカルコゲナイ トあるいは カルコゲンにおいて、 非晶質状態の反射率と、 溶融状態の反射率は 殆ど同程度の値を示す。 そして、 本発明の実施例に用いられる光デ イスクは、 その再生に当たって該光ディスクに対する走査スポッ ト 内における温度分布を利用して超高解像度をもって再生する。
[0074] ここで: ^ 本発明の実施例による上記相変化型光ディスクにレーザ 光ビームを照射した場合を、 図 1 2を参照しながら説明する。
[0075] 図 1 2において、 横軸はスポッ トの走査方法 Xに関する位置を示 したもので、 今光ディスクにレーザが照射されて形成されたビーム - スポッ ト S Pの光強度分布は、 同図中破線 aのようになる。 これ に対して相変化型材料層 1 0 4 における温度分布は、 ビーム · スポ ッ ト S Pの走査速度に対応してビーム走査方向 Xの後方側にやや遅 れて表れ、 同図中実線 bのようになる。
[0076] ここで、 レーザ光ビームが図中の矢印 X方向に走査されていると き、 媒体の光ディスクは、 ビーム ' スポッ ト S Pに対して、 走査方 向の先端側から次第に温度が上昇し、 遂には相変化型材料層 1 0 4 の融点 M P以上の温度となる。 この段階で、 栢変化型材料層 1 0 4 は初期の結晶状態から溶融状態になり、 この溶融状態への移行によ つて、 例えば反射率が上昇する。 この場合、 ビーム · スポッ ト S P 内で図中斜線を付して示した領域 P x の反射率が高くなる。 すなわ ち、 ビーム . スポッ ト S P内で、 位相ピッ ト 1 0 1 の読み出しが可 能な領域 Ρ χ と、 結晶化状態を保持して読み出しが殆ど不可能な領 域 P z とが存在する。 従って、 図示のように同一スポッ ト S P内に 例えば 2つの位相ピッ ト 1 0 1 が存在している場合においても、 反 射率が大なる領域 P x に存在する 1つの位栢ピッ ト 1 0 1 に関して のみその読み出しを行う ことができ、 他の位相ピッ トに関しては、 これが反射率が極めて低い領域 Ρ Ζ にあってこれの読み出しがなさ れない。 このように、 同一スポッ ト S Ρ内に複数の位相ピッ ト 1 0 1が存在しても、 単一の位相ピッ ト 1 0 1 に関してのみその読み出 しを行う ことができる。
[0077] 従って、 上記読み出し光ビームの波長を λ、 対物レ ンズの開口数 を ΝΑとするとき、 上記読み出し光ビームの走査方向に直交する方 向の記録信号の最短の位相ピッ ト間隔 (いわゆる トラ ッ ク ピッチ) をスポッ ト径の 1 Z2以下としても良好な読み出しが行えるこ とが 明らかであり、 超高解像度をもって信号の読み出しを行う こ とがで き、 記録密度、 特に トラ ッ ク密度の向上が図れ、 媒体記録容量を増 大させることができる。
[0078] ここで図 1 3は、 上記図 3の場合と同様に、 レーザ光の波長; Iが 0. 7 8〃 m、 対物レンズ 1 4の開口数 NAが 0. 5のとき、 すな わち媒体上でのスポッ ト径 Dが、 1. 2 2 λΖΝΑより、 1. 9 〃 mとなるとき、 上記トラッ ク ピッチ pをスポッ ト径 D= l . 2 u rn の 1 2以下の例えば 0. 8 〃mとした場合の、 再生レーザパワー (横軸) に対する再生信号のキャ リアレベル (縦軸) を示すもので あり、 上記相変化材料層 1 0 4 としては G e— S b— T eを用いて いる。 この図 1 3において、 曲線 aがメイ ンキャ リ ア成分を、 曲線 bがクロス トーク成分をそれぞれ示しており、 図中の斜線部 cは、 キャ リアノノイズ (クロス トーク) 比、 いわゆる C/N比として略 々 5 0 d Bが得られる範囲を示している。 このときの再生パワーが 約 5. 7〜 6. 9 mWである。
[0079] ここで、 通常の再生装置において要求される各種条件を考慮する とき、 CZN比が 5 0 d Bとれることは有効な信号再生を行うため に充分な値であり、 また再生レーザパワーの変動マージンも充分に とれており、 従って、 スポッ ト径 (D = l . 9 τη ) の 1 Z 2以下 の トラ ッ クピッチ ( Ρ = 0 . 8 〃.m ) としても、 有効な信号再生が 行え、 しかも半導体レーザ 1 1等の素子のばらつきも許容されて再 生装置の量産も可能である。
[0080] さらに、 C Z N比として 4 0 d Bでも有効な再生が可能である場 合には、 再生パワーはさらに広い範囲がとれ、 さらに トラッ ク ピッ チ Pを狭く しても信号再生が有効に行え、 製品化も可能であること がわかる。
[0081] ところで、 上述した例においては、 相変化材料曆 1 0 4が溶融状 態のときに反射率が高く結晶状態で低い膜厚等の諸条件を設定した 場合であるが、 各層の構成、 厚さ、 相変化材料の構成、 厚さ等の諸 条件の選定によって溶融状態においての反射率を低く し結晶状態に おける反射率を高める構成とすることもでき、 この場合は、 図 1 2 で示したレーザ光スポッ ト S P内の高温領域 P x 内に 1 つの位相ピ ッ ト 1 0 1 が存在するようにし、 この領域 P x にある 1 つの位相ピ ッ ト 1 0 1 からのみその読み出しを行う構成とすることができる。 また、 レーザ光照射により温度が上昇して、 例えば上記溶融非晶質 化領域 R 3 に達すること等により、 常温にまで冷却された状態では 上記結晶化状態等の初期状態に戻らないような不可逆的な栢変化を 生ずる場合であっても、 何らかの手段で初期化する操作を行えばよ く、 本発明の要旨から逸脱するものではない。 例えば、 再生のため のレーザスポッ トの後に長円系のスポッ トを照射し、 相変化材料層 1 0 4を上記溶融結晶化領域 R 2 にまで加熱したり、 融点 M P以下 で結晶化温度以上の温度に加熱してやれば、 相変化材料層 1 0 4 は 非晶質 (アモルフ ァス) 状態から結晶状態に復帰し、 いわゆる初期 化される。
[0082] なお、 上述した実施例においては、 媒体の相変化により反射率を 変化させているが、 反射率変化はいかなる現象を利用したものであ つてもよく、 例えば、 図 1 4に示す本発明のさらに他の実施例のよ うに、 干渉フィ ルタにおける水分吸着による分光特性の変化を利用 して、 温度によって反射率を変化させてもよい。
[0083] すなわち、 この図 1 4において、 位相ピッ ト 1 3 1が形成された 透明基板 1 3 2上に、 屈折率の大き く異なる材料を、 それぞれ厚さ が再生光の波長; Iの 1 4 となるように繰り返し成膜するこ とによ り干渉フィ ル夕が形成されてなるものである。 本例では、 屈折率の 大き く異なる材料として、 Mg F層 1 3 3 (屈折率 1. 3 8 ) と、 Z n S層 1 3 4 (屈折率 2. 3 5 ) を採用した。 勿論、 これに限ら ず屈折率の差が大き くなる材料の組合せであれば如何なるものであ つてもよく、 例えば、 屈折率の小さな S i 0 (屈折率 1. 5 ) 等が 挙げられ、 また屈折率の大きな材料としては T i 02 (屈折率 2. 7 3 ) ゃ〇 602 (屈折率 2. 3 5 ) 等が挙げられる。
[0084] 上述の Mg F層 1 3 3や Z n S層 1 3 4は蒸着形成されるが、 こ れらを蒸着形成する際に、 到達真空度を例えば 1 0 _4 Torr 程度と 通常より も低く設定すると、 膜構造がいわゆるポーラスなものとな り、 そこに水分が残留する。 そして、 この水分が残留した膜からな る干渉フィ ルタにおいては、 室温と水の沸点近く まで温度を上げた 時とで、 例えば図 1 5に示すように、 反射率分光特性が大き く異な る。 すなわち、 室温では図中曲線 iで示すように波長 λ R を変曲点 とする特性を示すのに対して、 沸点近く にまで温度を上げると、 図 中曲線 Πで示すように波長 λ H を変曲点とする特性になり、 温度が 下がると再び曲線 iで示す特性に戻るというように、 急峻な波長シ フ トが観察される。 この現象は、 水分が気化することにより屈折率 が大き く変わり、 この影響で分光特性が変化することによるものと 考えられている。
[0085] 従って、 再生光の光源の波長をこれら変曲点 λ R 、 λ Η の中間の 波長 I。 に選べば、 室温時と加熱時でダイナミ ッ クに反射率が変化 することになる。
[0086] 本実施例では、 この反射率変化を利用して高密度再生を行う。 高 密度再生が可能となる原理は、 前述した図 1 2 とともに説明した通 りで、 この場合には水分が気化して波長シフ トが起こつた領域が高 反射率領域に相当し、 温度が上昇していない部分がマスクされた形 となる。 本例では温度が下がると反射率特性が元の状態に戻るので、 特別な消去操作は必要ない。
[0087] なお、 本発明は上記実施例のみに限定されるものではなく、 例え ば、 上記光記録媒体としては、 ディスク状のみならず、 カー ド状、 シー ト状等の媒体にも本発明を適用することができる。
权利要求:
Claims請 求 の 範 囲
1 . 少なく とも磁気的に結合される再生層と記録保持層とを有して 成る多層膜を記録層とし、 上記記録保持層に信号が磁気記録され、 上記再生層の磁化の向きが揃えられた状態の光磁気記録媒体に対し て、 上記再生層に読み出し光ビームを照射するこ とにより当該再生 層を加熱して上記記録保持層に磁気記録されている信号を上記再生 層に転写しながら磁気光学効果により光学信号に変換して読み取る ような光記録媒体であつて、
上記読み出し光ビームの走査方向と直交する方向の記録信号のピ ッ トの配置間隔を、 上記読み出し光ビームのスポッ ト径の 1 / 2以 下とするこ とを特徵とする光記録媒体。
2 . 信号に応じて位相ピッ トが形成されるとともに温度によって反 射率が変化する光記録媒体に対して読み出し光ビームを照射し、 読 み出し光ビームの走査スポッ ト内で反射率を部分的に変化させなが ら位相ピッ トを読み取るような光記録媒体であって、
上記読み出し光ビームの走査方向と直交する方向の記録信号の位 相ピッ 卜の配置間隔を、 上記読み出し光ビームのスポッ ト径の 1 ノ 2以下とすることを特徴とする光記録媒体。
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